2018.08.12 MM 第652号
茶臼岳 (ちゃうすだけ 2604m) 静岡県静岡市・長野県飯田市
南アルプス
この山の私の印象等は・・・
「 40年経ち再び同じコースを歩いたが変わっていなかった 茶臼岳 」
*下に私の感想等の文があります。
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【歩いた日】 2018年7月22日(日) 【天候】 晴れ 【コース及び時間】 畑薙夏期臨時駐車場6:45=(井川観光協会送迎車)=7:07畑薙大吊橋-7:48二号吊橋7:53-8:19ウソッコ沢小屋- 8:36/41-9:14/20-9:40横窪沢小屋-9:50/55-10:20/25-10:59/11:05-11:41/48-12:12 茶臼小屋(泊)12:31-13:06茶臼岳-(次号に続く) 【登り(畑薙大吊橋~茶臼小屋)4時間26分 山頂へ(茶臼小屋~茶臼岳)35分 合計 5時間1分】 *コースタイムは休憩を除き写真撮影などを含む私が実際にかかった時間です。 その時の体調や天候によって大きく変わってきます。あくまでも参考タイムにしてください。 |
畑薙夏期臨時駐車場(写真1) | バス停には登山届所が(写真2) |
畑薙大吊橋を渡る(写真3) | 小吊り橋を5回通過する(写真4) |
ホタルブクロ(写真5) | ウソッコ沢小屋(写真6) |
名もない沢がいい(写真7) | 横窪沢小屋(写真8) |
樹林帯が気持ちいい(写真9) | イワオトギリだろうか?(写真10) |
マルバタケブキがいっぱいだ(写真11) | ヤマハハコも咲いている(写真12) |
アキノキリンソウもたくさん咲いている(写真13)。 | 茶臼小屋を見下ろす(写真14) |
南アルプスは山が大きい(写真15) | 茶臼岳[2604m](写真16) |
【感想 等】 7月の遠征は中国地方、北陸地方の登らずに残してある山に行こうと9日間の計画ができていた。 しかし、7月上旬、「西日本豪雨」があり200人以上が亡くなった。集落や道路にも大きな被害をもたらし今でも避難所暮らしの方もいる。 私の登ろうとした山には直接の被害はなかった感じではあるが、登山口までの道や登山コースに通行止めがあるかもしれない、と思い変更することにした。 今回は、前々から行こうと計画を練っていたいくつかをまとめ、南アルプス南部に入山することにした。 南アルプスは地元なので何度も行っているので登っていない山を加えることにした。 畑薙大吊橋から入り、茶臼岳、上河内岳と登り椹島に下る。そして生木割に登り、蝙蝠岳に行く計画である。 自家用車で畑薙ダムまで入る。 朝6時の時点で、畑薙夏期臨時駐車場は30%くらいが埋まっていた(写真1)。 県外ナンバーも多くびっくりした。 地元の私でもここまで3時間はかかるのでなかなか来ようとは思わないでいる。 バスに確実に乗れるためか、1時間以上前から並んでいる人もいた。 登山届と下山届を出すテントが張られている(写真2)。 止まっているバスは6時に様子を見に来た東海フォレストのバスである。 乗車希望者が多い場合は増発するという。 かつて40年前には畑薙第1ダムに車を置き歩いて畑薙大吊橋まで来た。 2週間分の食料と布のテント綿の入ったスリーシーズンシュラフでザックは30kgを越えていた。 吊橋に来るまでにもかなりのエネルギーを使った。 じゃあ、今回は体力を温存するために畑薙吊橋までの歩きを楽にするため自転車を積んでこようと思い宿泊予定の茶臼小屋に電話をすると、朝6時45分の無料送迎バスがあるという。 これはラッキーと、自転車は家に置いてきた。 その送迎バスは定刻に来て宿泊予定者の名前を呼び、私はマイクロバスに乗った。 始発は「井川ビジターセンター」で、多くは白樺荘で乗車したようである。 ここ畑薙夏期臨時駐車場では4人が乗車した。 7時7分、畑薙大吊橋に着いた。 下車したのは3人であった。 私はすぐに畑薙大吊橋を渡る(写真3)。 吊橋は当時より新しくはなっているのだろうが、流木が浮き揺れる感じは昔のままである。 沢沿いの道を登っていく。 沢には小さな吊橋が架かっている(写真4)。 この吊橋がなければ苦労して沢を渡らなければならないだろう。 ありがたい吊橋である。 こんな吊橋が5つあった。 梯子もあり楽しませてくれる。 畑薙大吊橋から30分ほど歩いたところで、70代が10人のグループに追いついた。 彼らはマイクロバスで来て沼平のゲートから歩いてきたようである。 ペースがゆっくりなので声をかけ先に行かせてもらった。 ホタルブクロが一輪咲いている(写真5)。 花が癒やしてくれるが、今回は小屋泊まりにし荷物は10kgに押さえたので全く疲れはない。 8時19分、ウソッコ沢小屋に着いた(写真6)。 1時間と少しで登ってきている。 また小さな吊橋を渡り、そこから小さな滝が見える(写真7)。 ダイナミックな滝もいいが名もないこんな小さな滝?も好きである。 道はやや急にはなったが荷物が軽いのでそれほど苦にならない。 9時過ぎ、「中の段」に着いた。 ここも樹林帯の中にあり、炎天下を歩かないので体力は消耗しなくていい。 徐々に高度を上げ、新しい鉄橋を渡るともう横窪沢小屋であった(写真8)。 時刻はまだ9時半を少し過ぎたところである。 なかなかいいペースで登ってきている。 40年前あえぎながら登り、へとへとで10分歩いては5分休んで登ったという苦労したイメージが脳裏から離れなかったが、その大変さはやはり荷物の重さやザックの形状にあったのだろう。 当時は現役のバスケット選手であり、体力にはある程度自信があった。 前年の夏には42日間かけて北海道を10座登りながらサイクリングで一周もしている。 ここまで上がってくるとようやく木の上から山が見えてきた。 100mおきに「ここは○○m 井川小学校」という札が木に付いている。 ここは1900mとある。 小学生が先生と登ってきて付けたのだろうか。 それともPTAの仕事で親たちがやったのだろうか。 どちらでもいいが、目安になってありがたい。 あと500mほど標高を上げれば今夜お世話になる茶臼小屋に着く。 水呑場を過ぎ、樹林が変わった。 明るめの気持ちのよい樹林帯になった(写真9)。 その先は「樺段」であった。 先ほどの木は樺の木だろう。 やがて2200mのプレートがあり、もっと樹林は明るくなった。 時刻は11時半である。 ここまで上がればあと1時間はかからないであろう。 実は今回初めてGPSを使い30分ごとに位置が上手く表示できるか試している。 明後日のルートで使いたいからである。 私は無料のYMAPを使っているがポケットからスマホを出してみると現在地が30分前の位置から動いていないことが多い。 ヤマレコをインストールしたら大きすぎて削除した。 やり方が悪いのか、スマホが悪いのか・・・。 30分ごとにチェックするとバッテリーの減り方は早いがなんとか使えるめどは付いた。 徐々に森林限界も近くなり高山植物が出始めた。 まずはイワオトギリだろうか?(写真10) そして、マルバタケブキがいっぱいだ(写真11) 。 マルバタケブキが一番のピークなんだろう。 至る所に咲いている。 マルバイチヤクソウのかわいい花もある。 ゴゼンタチバナ、タカネニガナ、ミヤマコウゾリナ、ミヤマバイケイソウ、シナノキンバイもある。 これまで見たことがある花が次々に現れる。 ヤマハハコも咲いている(写真12)。 茶臼小屋が見えてきた。 周りは大自然のお花畑になっていてマルバタケブキ、ミヤマシシウドなどいっぱい咲いている。 40年前の印象そのままである。 そこには小川が流れトリカブトも咲き始めている。 アキノキリンソウもたくさん咲いている(写真13)。 イブキトラノオもある。 12時過ぎ、茶臼小屋に着いた。 畑薙大吊橋から休憩を入れて約5時間、40年前と荷物の重さも違うがそれほど体力は落ちていないことを実感した。 チェックインを済まし、着替えや不要な荷物は小屋に置き茶臼岳に向かう。 疲れは全くない。 少し登ると茶臼小屋周辺の素敵な風景が広がってきた(写真14)。 足下には薄ピンクのハクサンフウロウが咲いている。 10分余で稜線に出た。 南アルプスらしい広い稜線で、大きな山塊の山々が見える。 左方向の茶臼岳に向かう。 少し登ると小ピークがあり方位盤が付けられていた。 360度の展望があり、笊ヶ岳、富士山、上河内岳、茶臼岳、木曽御嶽山、聖岳等の名前が書かれている。 雲があり富士山は見えない。 南アルプスは山が大きい、と改めて思う(写真15)。 13時過ぎ、茶臼岳に着いた(写真16)。 荷物がないとはいえ約30分で着くとは思ってもいなかった。 7時過ぎに出発した畑薙ダムが眼下に見える。 山頂には私以外誰もいない。 スマホを取り出すと、電波が入っている。 (南アルプスは電波が入らない場所が多いのにと、びっくりしながらメール等をチェックした) (次号の「仁田岳」に続く) |