2018.09.24 MM 第657号
笊ヶ岳(ざるがたけ 2629m)・生木割(なまきわり 2540m)
南アルプス 静岡県静岡市・山梨県早川町
日本二百名山、静岡の百山
この山の私の印象等は・・・
「 おまけの笊ヶ岳と共にやっと登れた 生木割 」
*下に私の感想等の文があります。
メールアドレスを登録していただきますと、この文章が「無料メールマガジン」として毎週あなたの所に届きます。
【歩いた日】 2018年7月24日(火) 【天候】 晴れ後山頂で霧 【コース及び時間】 4:18椹島ロッジ発-4:30笊ヶ岳登山口-5:00/05-5:42/50-6:21/26-7:04/09-8:19上倉沢前8:27- 8:51涸沢上8:56-9:29椹島下降点9:34-9:58笊ヶ岳〈2629m〉10:03-10:18椹島下降点10:22 -10:49水場分岐10:54-11:20/25-11:47生木割〈2540m〉11:52-12:35天上小屋山〈2350m〉 12:40-13:11/16-13:50/55-14:14転付峠14:19-14:50/55-15:20二軒小屋ロッジ(泊) 【 登り(椹島ロッジ~笊ヶ岳)4時間59分 (笊ヶ岳~生木割)1時間30分 下り(生木割~二軒小屋ロッジ)3時間3分 合計 9時間32分 】 *コースタイムは休憩を除き写真撮影などを含む私が実際にかかった時間です。 その時の体調や天候によって大きく変わってきます。あくまでも参考タイムにしてください。 【宿泊】 二軒小屋ロッジ 13,000円(2食付き) |
椹島から林道を10分余で登山口(写真1) | いくつかの沢を越えていく(写真2) |
ホタルブクロが迎えてくれる(写真3) | 広い上倉沢でルートを探す(写真4) |
トリカブトが励ましてくれる(写真5) | 素敵な深い森の中は迷いやすい所でもある(写真6) |
11時前、笊ヶ岳[2629m]山頂に(写真7) | 3000mの南アルプスの山々(写真8) |
テン泊者にとってありがたい水場(写真9) | ガレを慎重に進む(写真10) |
ミネウスユキソウ(写真11) | 生木割にはアンテナがあり展望はなし(写真12) |
天上小屋山[標高2350m](写真13) | 林道には小木が生え歩きにくい(写真14) |
転付峠で急に開ける(写真15) | 二軒小屋に着く(写真16) |
【感想 等】 南アルプス3日目である。 1日目は茶臼岳、仁田岳に登り茶臼小屋に泊まった。 2日目には上河内岳に登り聖沢ルートを下り椹島ロッジに泊まった。 今回の山歩きの目的の1つが、静岡の百山の1つ「生木割」である。 生木割は、南アルプスの尾根の東側に大井川や林道があるがその東にあるなだらかな尾根の中にある。 だから南アルプスの展望がある山である。 また、地味で歩く人が少ない山であることは知っていた。 だからこそ、麓の椹島ロッジで旬な情報を得ようと期待して宿泊した。 しかし、椹島ロッジのスタッフに「生木割登山」について聞いたが、詳しい情報は得られなかった。 逆に「自信がないならやめた方がいい」と言われた。 これについてはこのメルマガ&HPで伝えたい内容と少しずれ、長くなるので別ブログにまとめた ( https://plaza.rakuten.co.jp/masarus/diary/201809160000/ )。 私にとって初めての山はいくら調べたり情報を得ても自信があるとは言い切れないのが本音である。 逆に、だから面白いのである。 朝食を取っていたら出発が遅くなるので、朝食用の弁当を作っていただきまだ少し暗い4時過ぎに出発する。 二軒小屋方向に林道を10分余進むと登山口があった(写真1)。 急な山道を登っていく。 「テープはない」と言っていたが、目印にテープはちゃんと付けられていたので安心して登る。 (なければGPSを頼りに登ろうと用意はしてある) 5時半過ぎ、朝食にロッジで作ってもらった弁当を食べる。 おいなりさん、太巻き、唐揚げ、角煮にデザート少しとなかなかありがたい弁当であった。 所々緩やかにはなるが、全体的には急な登りの連続である。 「←椹島120分 笊ヶ岳270分→」という東海フォレストが付けた立派な標識があった。 そこからはなだらかになりいくつかの沢を越えていく(写真2)。 踏み跡は多くはなく山道は細いがルートははっきりしていて間違うことはない。 8時過ぎ、木々の間に笊ヶ岳のような山頂部分が見えてきた。 針葉樹林帯を進んでいくと草原に出た。 大きなホタルブクロが咲いていた(写真3)。 その先が上倉沢の広い河原であった(写真4)。 河原からどこに登るのか少し戸惑ったがよく探すと大きな朱色の丸印があった。 トリカブトが咲いている(写真5)。 誰にも会わないので花々のささやきがうれしい。 なだらかに登っていく。 ミヤマバイケイソウがある。 ここのミヤマバイケイソウはシカの食害がなかった。 苔むした森の中を進んでいく(写真6)。 私はこんな山が好きである。 涸沢を過ぎしばらく行くと急に展望が開けた。 南アルプスの3000mの山々が見える。 そう、この山塊は南アルプス展望台なのである。 終わりかけたシャクナゲの白い花が咲いている。 展望の開けた場所から数分で稜線であった。 時刻は9時半である。 そこには「←椹島 約5H」と書かれた壊れかけた木の板が付けられている。 この「椹島下降点」に10時半までに着けたら笊ヶ岳に行こうと決めていた。 笊ヶ岳は3年前に山梨県側の雨畑湖から登っている(メルマガNo.524)。 2015笊ヶ岳 http://h1933.web.fc2.com/hyaku-j/yama524/yama524.html だから今回は予定より早く着けたらおまけで登ろうと決めていた。 1時間も早かったので行くことにした。 数分歩くと笊ヶ岳が見えてきた。 山頂にはガスがかかり始めている。 西側にある南アルプスの尾根も時々ガスがかかっている。 11時少し前、笊ヶ岳[2629m]に着いた(写真7)。 3年前見た風景とあまり変わらない風景がそこにはあった。 少し違うのは南アルプスの山々に雪がないことである(写真8)。 正面に見えるのは聖だろうか、赤石だろうか? 実はこの写真にはヘリコプターが写っている。 これから行く生木割近くで遭難した人がいると言うことで昨夜、山岳救助隊員達がミーティングをしていた。 ヘリコプターを飛ばして捜すことになったのかもしれない。 ガスが上がってきた。 山々はほとんど隠れってしまった。 先を急ごう。 尾根歩きは快適である。 15分で椹島降下点に着き、11時前には水場分岐に着く(写真9)。 木々の間からかすかに展望があるだけであったが、ガレ場に出れば3000mの山々がよく見える(写真10)。 ガスが十分晴れていないのが残念ではあるが・・・。 ガレを慎重に通過するとミネウスユキソウが咲いていた(写真11)。 その先には生木割(標高2540m)の山頂があった(写真12)。 写真のようにアンテナが立ち、展望は全くない。 「静岡の百山」に選定した時にはこのアンテナはなかったであろうが、見た通りの残念な山頂である。 そのアンテナの横に東海フォレストの設置した「生木割」の標識がある。 この標識がなければ山頂を見落とすところであった。 この生木割の山頂は、笊ヶ岳から約90m下がっただけである。 ここからもまだまだ長く続くなだらかな尾根歩きである。 そこから少し行ったところで老夫婦が休んでいた。 テント泊で笊ヶ岳に登るために転付峠から来たようである。 12時半過ぎ、天上小屋山(標高2350m)に着いた(写真13)。 生木割から200m標高を下げたことになる。 情緒のある原生林の中という感じで生木割より好きだ。 尾根道にもガスが出てきた。 時々見える南アルプス3000mの山々の上部にも雲がかかっている。 13時過ぎ、道は稜線から左側(西側)の巻き道に変わった。 そして林道跡のような道になった(写真14)。 そこには小さな灌木が生え、足に絡まりつき歩きにくかった。 14時過ぎ、転付峠入口に着いた(写真15)。 木々が刈られ明るく広い峠である。 ここを下れば二軒小屋である。 コースタイムで1時間半、ゆっくり歩いても16時には着く。 この先の転付峠から右に行けば広河原、直進は白剥山である。 いつかは歩きたいコースである。 二軒小屋への下りはクマササが茂り道が見えにくくなっていた。 進んで聞くと、東海フォレストが設置した「転付峠登山道12/13(標高2000m)」という説明板が取り付けられていた。 その板には周辺の自然の様子が書かれていた。 二軒小屋ロッジに宿泊するハイカーが散策に来る時見るのだろう。 13枚付けられているのだろう。 その説明板を見ながらゆっくり下っていく。 15時過ぎ、二軒小屋ロッジからの周遊コース案内板に着いた。 ここにあるベンチは「五丁の休み場」というらしい。 時計回りで下っていこう。 15時20分、二軒小屋ロッジに着いた(写真16)。 この標識の先に素敵なロッジが建っていた。 受付は2階、部屋は3階であった。 宿泊者は5人なので、4人部屋に1人ずつにしてくれた。 ありがたいことである。 別ページに二軒小屋ロッジに付いてはまとめたが、料金はやや高いがそれなりのよい宿であった。 二軒小屋ロッジ https://plaza.rakuten.co.jp/masarus/diary/201809200000 今日は、おまけの笊ヶ岳にも登ることができたし、南アルプスの展望と大自然の中の 尾根歩きを楽しめた1日であった。 |