2018.10.01 MM 第658号

   私の出合った日本百名山 他の山々 by masarus 

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蝙蝠岳(こうもりだけ 2865m)

南アルプス 静岡県静岡市 静岡の百山
 

この山の私の印象等は・・・                                     

「 倒木が多いと言われ苦労を覚悟したが森林歩きと展望が素晴らしかった 蝙蝠岳 」

  *下に私の感想等の文があります。                                                                         
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【歩いた日】     2018年7月25日(水)

【天候】        晴れ

【コース及び時間】

4:14二軒小屋ロッジ発-4:32蝙蝠岳登山口4:36-5:00/05-5:22中電施設-5:35/5:40-6:10/6:18-6:52/6:57-

7:32/7:37-8:02徳右衛門岳〈2599m〉8:11-8:45/8:50-9:15森林限界-9:25/9:30-9:45蝙蝠岳〈2865m〉

10:15-10:37森林限界10:42-11:15ビューポイント11:20-11:38徳右衛門岳〈2599m〉11:50-12:21/

12:26-12:59/13:04-13:33中電施設13:38-14:10蝙蝠岳登山口14:15-14:37二軒小屋ロッジ(連泊)



     【 登り 4時間40分  下り 3時間40分   合計  8時間20分 】


*コースタイムは休憩を除き写真撮影などを含む私が実際にかかった時間です。
 その時の体調や天候によって大きく変わってきます。あくまでも参考タイムにしてください。


【宿泊】    二軒小屋ロッジ(連泊)    13,000円(2食付き)


  
1時間近く登った所にある中電施設(写真1) 1500円也のおにぎり(写真2)
樹林帯を行く(写真3) 久しぶりに出合ったギンリョウソウ(写真4)
ゴゼンタチバナ(写真5) 徳右衛門岳[2599m]に着く(写真6)
やっと山頂が見えてきたVP(写真7) ハクサンフウロ(写真8)
森林限界を超え素晴らしい展望が(写真9) 赤石岳と荒川岳だろう(写真10)
タカネツメグサの大きな株(写真11)  岩陰にはチングルマのがくがあった(写真12)
蝙蝠岳(標高2865m)の山頂(写真13) 塩見岳が稜線続きですぐ近くに見える
手つかずの自然の中を歩くのは気持ちがいい(写真15)  14時過ぎには登山口に着く(写真16)
 

【感想 等】 

南アルプス4日目である。
1日目は茶臼岳、仁田岳に登り茶臼小屋に泊まった。
2日目には上河内岳に登り聖沢ルートを下り椹島ロッジに泊まった。
3日目は笊ヶ岳、生木割に登り、尾根を歩き転付峠から下り二軒小屋ロッジに泊まった。

今回の山歩きの目的のもう1つが、静岡の百山「蝙蝠岳」である。
この蝙蝠岳の尾根を登っていけば塩見岳に行くことができるが、かつて茶臼岳から縦走中に歩いている。
塩見岳(メルマガNo.97) http://h1933.web.fc2.com/hyaku/yama82/yama82.htm

この蝙蝠岳に登るために二軒小屋ロッジに連泊でのピストン登山である。
このコースは登る人が少ない静かなコースである。


前日の生木割同様、二軒小屋ロッジで情報を聞こうとした。
私の尋ねたタイミングが悪かったのか、食事中に登ったことのある若いスタッフが話してくれると言うことになった。
食事を取り始めると、コース料理が順に出るので待つ間に自然と宿泊者同士の話になる。
ちょうどこの日、塩見岳から下りてきた30代の男性がいたので情報を得ることができた。

彼は仕事でスマホの電波の強さをチェックしながら下山してきたのだが、倒木、藪漕ぎ等もあり大変だと言うことであった。水も2L以上を飲み干し不足気味だったという。
スタッフの女性はその通りだという。

私はなるべく荷物を軽くするように余分な着替えや望遠レンズは連泊する部屋に置いていくことにした。
水分はスポーツドリンク2本で1L、お茶・水で1Lの合計2L持って行こう。

往復のコースタイムは12時間。
二軒小屋ロッジからは夕食に間に合うように17時半には帰ってくるように言われた。
11時までに蝙蝠岳の山頂に着かなかったら、登頂は諦めて引き返そう、そんな計画で登ることにした。


朝4時過ぎ、二軒小屋ロッジを出発する。
ロッジの朝食は7時なので、この時間には誰も起きていない。
そっと玄関を開け、下っていく。

千枚岳への登山口分岐を過ぎ、田代湖沿い、大井川沿いの林道を通り4時半過ぎに蝙蝠岳登山口に着く。
取り付きの少しは急登であるが、尾根のややなだらかな道になる。

登山口から50分登ると、中部電力の施設があった(写真1)。
何の施設だろうか。
今まで見たことのない建物である。

周りの木を切り取って施設を作ったのか、展望がいい。
たくさんの山々が見える。

あれは千枚、荒川だろうか。

登山ルート上部を見るとここから急登が始まる。
そこにウンチとティッシュが落ちていた。

残念である。

トイレがない山でも便意はもよおし我慢をし通すことはできない。
できたら携帯トイレを持参していただきたいものである。
持っていないなら、登山路から外れた所に小さな穴を掘って用を足し、ティッシュは持ち帰っていただきたいものである。

急坂を焦らず1歩1歩ゆっくり登っていく。

6時過ぎ、休憩を利用し朝食のむすびを食べる(写真2)。
このおにぎり2つに500mLのお茶と乾燥味噌汁が付いて1500円である。
味噌汁はお湯がないので後日飲むことにする。

前日の二軒小屋ロッジの弁当は1000円でおいなりさん、太巻き、それに角煮とデザートであった。
それに比べるとやや残念な気がした。

樹林の中を順調に登る(写真3)。

久しぶりにギンリョウソウにも出合う(写真4)。
キノコ類も山吹色、白など生えていた。

ゴゼンタチバナもあった(写真5)。

8時過ぎ、徳右衛門岳に着く(写真6)。
登山口から3時間半、予定よりやや早い。

徳右衛門岳は樹林帯の中にあり、展望はない。

20分ほど木々の中を進んでいくと、木の隙間から山並みが見えてきた。
その先には木に赤いペンキで「VP」と書かれたビューポイントがあった。

稜線の右端に少し登ると蝙蝠岳が見える(写真7)。

少し倒木の中を進むがたいしたことはない。
富士山村山古道(メルマガNo.145)を苦労して歩いたことが懐かしい。
富士山村山古道2 http://h1933.web.fc2.com/hyaku-b/yama145/yama145.htm

やがて灌木になると草花が出てくる。
終わりかけているのだろうか、やや白っぽいハクサンフウロがある(写真8)。

9時15分、森林限界に出た(写真9)。
その先にあるのは蝙蝠と塩見だろうか?

左手に見えるのは赤石岳と荒川岳だろう(写真10)。

なだらかな稜線歩きは楽しい。
南アルプス3000mの山並みを見ながら歩く。

足下にはイワツメグサが咲いていた。
その先にはタカネツメグサの大きな株があった(写真11)。

蝙蝠岳山頂の標柱が見えてきた。
山頂近くの岩陰にはチングルマのがくがあった(写真12)。

9時52分、蝙蝠岳(標高2865m)の山頂に着いた(写真13)。
予定より1時間早い。

順調で、楽しい登りであった。
あまりにあっけなく登頂でき、不思議でならない。
そして、森林限界を越えてからの山々の展望が素晴らしい。
登ってきてよかったとつくづく思う。

かつて登った塩見岳(メルマガNo.97)が稜線続きですぐ近くに見える(写真14)。
あと1日取ってあればせっかくここまで登ったのであるから塩見まで行きたい所である。

10時過ぎ、赤石・荒川に雲がかかってきた。
原生林の木々を楽しみながら下ることにする。

手つかずの自然の中を歩くのは気持ちがいい(写真15)。
VP(ビューポイント)で蝙蝠岳方向を見たがもう半分ガスの中であった。

11時半過ぎ、徳右衛門岳に着く。
残りの昼食をゆっくり取る。

順調に下り、13時半過ぎには中電施設に着いた。
山の中にすごい施設を作ったものだと、改めて感心する。

14時過ぎには登山口に着く(写真16)。
大井川やエメラルドグリーンのきれいな田代湖を見ながら歩く。

15時前には二軒小屋ロッジに着いた。
ロッジのスタッフは早く帰ってきたので驚いていた。

今回の南アルプス南部の山歩きはどこもよかったが、あまり人が入っていない原生林と3000mの山々の展望を楽しんだこの蝙蝠岳が一番よかったかもしれない。
充実した1日であった。

二軒小屋ロッジの夕食は連泊の私だけ他の宿泊客のメニューとは別であった。
(詳しくは、「二軒小屋ロッジ宿泊2」のブログに書いてある)


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