2021.02.22 MM 第780号

    私の出合った日本百名山 他の山々 by masarus

電子書籍  「焼津アルプス登山ガイド」 デジタル版『18切符風ドイツ貧乏旅行』 CDR 実登 山梨百名山

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山伏(やんぶし 2014m) 静岡県静岡市・山梨県早川町 日本二百名山
静岡の百山・山梨百名山


この山の私の印象等は・・・                                         

「 アイゼンを付けて雪道歩きを楽しんだ 山伏 」
 

                        *下に私の感想等の文があります。            

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【歩いた日】     2021年2月7日(土)

【天候】        晴れ

【コース及び時間】  

西日影沢8:55-9:02登山口-9:37大石9:42-10:24蓬峠(アイゼン装着)10:37-11:05ベンチ11:10-

12:02牛首峠分岐-12:18山伏〈2014m〉12:44-12:53牛首峠分岐12:56-13:17上のベンチ13:20-

13:43蓬峠(アイゼンを取る)13:51-14:15大石14:20-14:46登山口-14:52西日影沢

         【 登り 3時間  下り 1時間43分   合計 4時間43分  】


*コースタイムは休憩を除き写真撮影などを含む私が実際にかかった時間です。
 その時の体調や天候によって大きく変わってきます。あくまでも参考タイムにしてください。


  
元の駐車場は崩落している(写真1) ドラム缶の橋がありがたい(写真2)
かつての橋は落ちている(写真3) ワサビ田も放置されている(写真4)
大岩に到着(写真5) 蓬峠手前の崩落は危険だ(写真6)
蓬峠先からアイゼンを付ける(写真7) 蓬峠先から先が雪だった(写真8)
木々の間から富士山が見えてくる(写真9) こんな雪の中を歩きたかった(写真10)
牛首峠分岐(写真11) 山伏山頂は近い(写真12)
山頂付近からの富士山(写真13)  山伏(2014m)山頂(写真14)
南アルプスの山々が見える(写真15)  沢の水は少し氷っていた(写真16)
 

【感想 等】 

3年前の6月、北海道の山夕張岳は4本爪の簡易アイゼンでは登れなかった。
縦走用の14本爪は持っているが手軽な6本爪は持っていなかった。
それで、北海道から帰ってきて買った「6本爪のアイゼン」の出番はまだない。

6本爪のアイゼンを使って歩きたい、と思い比較的簡単に行ける静岡の奥、梅ヶ島新田から登る山伏に行くことにした。
1月の日向山などにも6本爪のアイゼンを持って行ったが使う機会はなく、まだピカピカの新品である。

9時前に西日陰沢の登山口近くに着く。
路肩に数台の車が止まっていた。
一昨年の台風で被害があったのは知っているがどの程度の被害かは詳しくはわからなかった。
かつての駐車場は崩落していて全く車を置くことはできない(写真1)。

歩いて行くと登山口手前の沢はドラム缶の橋があり、ありがたいことに靴を脱がなくても通ることができる(写真2)。
山伏は何度も登っているが、一度大雨の後に来たらここは水深が膝丈以上あり諦めたことがあった。
その後、このドラム缶橋は付けられた。

登山口から登るわさび田用のモノラックのレールがある。
足下の地面には5cmほどの霜柱ができている。

かつての橋は落ち、代わりに板を渡してある(写真3)。
杉林の中を進んでいく。

沢沿いの道ということもあり、所々に湧き水を引いたホースが付けられ水場が作られている。
夏なら飲みたいところであるが今回は喉が渇かない。

9時半、わさび田に着いた。
このワサビ田は一昨年の台風以前から放置されている(写真4)。
20年ほど前だったか、わさび田で作業している60代後半の親父さんに会ったとことがある。
彼はたばこを吸いたかったのか、私にマッチを貸してくれと言ってきた。
私はたばこは吸わないし、バーナーを使う予定がなかったのであいにく持っていなかった。
彼はもうこの世にはいないかもしれない。

生きていてもここまで上がってきてわさびの栽培するのは大変なことである。
大雨の度に土砂が流れ込みわさびも流されたりする。

そんなことを考えながらわさび田を通過する。

9時半過ぎ、大岩に到着する(写真5)。
大岩の先にベンチがあるので今回はそこで休むことに決めていた。

その先から日陰に少しだけ雪が残っていた。

10時過ぎ、西日陰沢から小さな支流に入る。
日陰に残っている雪は少し増えたが、ほぼ雪がない状態である。

蓬峠に近づくと急斜面がガレている。
しかも小さな石や土が絶えず落ち足跡やルートを消している。
斜面も急であるしこの崩落は危険である(写真6)。

滑り落ちないように気をつけて通過した。
その2分後、10cmほどの石を含む土砂が10秒ほど落ちてきた。
当たっていたら大けがである。
無事渡ることができてよかった。

1人でもけがをする人があればすぐにここへの進入禁止、登山路閉鎖になってしまうであろう。
通る人は気をつけてたいものである。

10時半前、蓬峠に着いた(写真7)。
写真の左側に少し雪が写っているが、ここからが楽しみにしていた雪道である。
6本爪アイゼンとロングスパッツを付ける。

蓬峠先からすぐ先から雪というのはありがたい(写真8)。
以前、狭い斜面で急に雪道になりアイゼンを付けるのに苦労したこともある。
蓬峠は広いしベンチまでありしっかり装備ができる。

ただ、雪があるのは北側の山道だけで、南斜面は雪がひとかけらもない。
雪道、土道を繰り返し登っていく。

すると、木々の間から富士山が見えてきた(写真9)。
夏なら葉が邪魔をして富士は見えないだろう。

上からズック靴の男性が1人降りてきた。
所々凍結した雪の斜面をズック靴で登ることができるのだろうか?
たとえ登れても下りはもっと危険で大変だろう。

アイスバーンではなく、こんなサクサクした雪の中を歩きたかった(写真10)。
山道が全部雪道になったのは標高1950mくらいからであった。

そして、すぐに牛首峠分岐であった(写真11)。
ここでこの日5人目の登山者に会う。

ここまで来れば山伏山頂は近い(写真12)。
気持ちのよい雪原を歩いて行く。

山伏の良さの1つは、山頂付近からの富士山である(写真13)。
何回も見ているが、ここからの富士はいつも素晴らしい。

12時過ぎ、山伏(2014m)山頂に着く(写真14)。
山頂の標識の向こうに南アルプスが見える。
この白銀の南アルプスの展望も山伏の良さである。

山頂は私1人。
少し行ったところに腰を下ろし南アルプスに向かってお昼にしよう。
南アルプスの山々がよく見える(写真15)。

雪の上に座り山々を見ながら昼食を取っていると途中で抜かしてきた熟年カップルがやってきた。
大きな声で話しながら昼食の準備をしている。
静寂が一気に雑音の中に変わった。

もう少しのんびりしたかったが、下山開始。
元来た道をゆっくり下ろう。

同じコースを下るのでどのタイミングでアイゼンを外したらよいかわかっているので安心である。
順調に下っていき、最初のベンチで休む。

そして13時半過ぎ、蓬峠に着いた。
アイゼンとロングスパッツを外す。

50m下のガレ場では落石の様子を少し観察した。
小さな砂類は絶えず落ちているが石は落ちてきていない。
一気にガレを渡る。

14時過ぎ、大石に着く。
ここまで来ればあと少しだ。
安心して下ることができる。

下っていると、行きにすれ違った男性がまだ下っている。
今度は話しかけることにした。
というのは、雪の中に滑らないように両足の靴底を付けて歩いた跡がついていたから
である。
私が「ズック靴で雪道は大変だったでしょう?」と、言うと
雪があることを知らなかった、という。
無事降りることができてよかった。

下る途中に沢を見ると、しぶきが氷っている所があった(写真16)。
車には15時少し前に着いた。

山の上の方では、期待通り雪の中を歩くことができ、富士山や南アルプスの展望を楽しんだ1日であった。




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