05.03.26 MM第94号
【登頂日】 1977年8月2日(木)
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8泊9日で白馬岳から槍ヶ岳までテント、シュラフ、食料を持って縦走した第2日目の記録である。 テントでは下山する団体が深夜1時まで騒いでいた。別の団体は2時に起き準備を始めた。これが北アルプスのマナーかと思った。 朝起きると遠方に剣岳があった。最終目的地の槍ヶ岳もはるか彼方にあった。どんよりと曇っていた。しかし徐々に雲が切れ、朝焼けが広がり太陽が顔を出した。今日も晴れだ。 7時、南の唐松岳に向かって出発した。テント場のある丸山からなだらかに下っていく。高低差の少ないアルプスの稜線歩きは快適だ。しばらく進むと杓子岳への登りになる。先が長いので杓子岳には寄らず、トラバースすることにした。コルから鑓ヶ岳へは少し登る。大好きなミヤマオダマキがたくさん咲いていた。 (不帰キレットと唐松岳) |
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8時20分、鑓ヶ岳に着いた。山頂からはこれから行く縦走路が見渡せた。また、ふり返ると朝から歩いてきた白馬岳からの山並みが見えた。 そこから30分くらい緩やかに下ると天狗小屋のある天狗平だ。その手前はやや急な斜面にたくさんの雪が残っていて滑った。滑っても滑落するような斜面ではないので安心してスリップした。(重い荷物が重心を保つのに苦労したが・・・)。 さあ、ここから少し登った天狗ノ頭からは一気に300m下る「天狗の大下り」だ。少し休み、深呼吸をしてから慎重に歩き始める。下り始めると雪を頂いた立山・剣岳が声援を送っているのに気づく。また、足下に目を移すとコマクサも励ましてくれていた。 ペンキのマークを見落とさないように辿っていく。下まで下りきって少し行くと「不帰キレット」だ。(天狗ノ頭よりこれからの縦走路) |
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重い荷物に引っ張られながらも鎖や鉄梯子などに助けられ下った300mを少しずつ登り返し15時、唐松岳〈2696m〉に着いた。長かった。快晴無風でのどが渇き3Lの水もすぐ空になってしまった。小屋のテン場にテントを張り、早めに寝る。 翌2日、快晴、7時出発。手前を歩いていた人が休憩中にザックを転がし200m以上下の沢に落とす。もし人間だったらと思ったら足がすくんだ。しかしコースは標高差はたいしてなく気持ちよく歩け、ぼっとしていたためか、知らぬ間に大黒岳を過ぎていた。 9時半、白岳に着いた。そこから遠見尾根への分岐を右に曲がり、五竜岳に向かった。 そこからすぐ先の五竜小屋近くにはお花畑があり、ハクサンフロウやクルマユリが咲いていた。10時半、五竜岳に着いた。これから向かう鹿島槍をはじめ、北アルプスの山々を360度の全方向展望する眺めを充分楽しんだ。 キレット小屋まではやせ尾根の急な登り下りが続き、ようやく小屋に着くことができた。(大黒岳手前から五竜岳を) |