05.04.04 MM第95号
【登頂日】 1977年8月2日(木)
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8泊9日で白馬岳から槍ヶ岳までテント、シュラフ、食料を持って縦走した記録の第3弾である。 NO46で書いたように、この日は唐松岳山頂を出発し「天狗の大下り」やスリル満点の「不帰ノ嶮」を通ってきた。 しかしここからも後立山の難所の1つ「八峰キレット」があるのだ。せまい稜線の登り下りが続く。慎重に歩いた。(初心者はやめた方がよいコースである) 鹿島槍岳はその形の美しさやお花畑が続くことから人気のある山である。一般的なコースは信濃大町の大谷原から赤岩尾根を登るか、扇沢から爺ヶ岳を経由して登る(それらを往復に使えばなお良い)。今回は縦走ということで北から南下してきたのである。(五竜小屋過ぎから鹿島槍ヶ岳) |
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正直な話、八峰キレットは重い荷物の自分には堪えた。荷物が軽かったらどんなに快適だっただろうか、と思った。それでも何とか鎖やはしごのおかげで通過することができた。そして15時過ぎ、北峰に立つことができた。そこからやせ尾根を20分ほど少し登り、50mほど高い南峰である。 鹿島槍岳は上の写真のように双耳峰である。山頂では360度の展望が待っている。さすが、後立山連峰の主峰である。立山連峰、剣、針ノ木岳など大パノラマが広がっている。天気が良くて良かった。 鹿島槍岳南峰からはなだらかな稜線を高山植物や周りの山々を見ながら歩いた。 しばらくすると布引岳に着く。ここから見る鹿島槍は大きい。たいした距離ではなかったが今まで歩いてきた実感をかみしめた。 そこからは少し急な下りのあとたくさんのお花のあるなだらかな道だった。左の写真ようなトウヤクリンドウや珍しい白いイワギキョウの花々を見たり写真を撮ったりしながらリラックスして歩く。 17時半、今日の宿泊地、冷池小屋のテント場に着いた。 (鹿島槍岳過ぎでトウヤクリンドウ) |
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今日1日、岩場の急な登り下りとゆるやかな稜線、緊張とリラックスという相反する2つの、変化に富んだ充実した1日だった。 翌日朝の雲海から昇った日の出はきれいだった。爺ヶ岳からの大パノラマは気に入った。その後も天候に恵まれ、針ノ木小屋、船窪小屋、烏帽子小屋、三俣蓮華小屋、槍沢とテントに泊まり縦走を続けた。 山の呼び名・表記と標高は素人の私にはよくわからない。鹿島槍岳、鹿島槍ヶ岳、鹿島槍ガ岳、かしまやりだけ、かしまやりがたけ。2889m、2890m、2889.7m。 私個人としては、正確を期したいが、どれでもいいと思っている。HPや本での表記はいろいろである。今回表記と呼び方は百名山選定の深田氏のものを使い、標高は国土地理院の二万五千分の一の地図から取った2889.1mを四捨五入して2889mを使った。(冷池小屋付近から鹿島槍岳) |