私の出合った日本百名山 by masarus   

   NO.79 鳳凰山(ほうおうさん 2840m)

 この山の私の印象 
          「冬山を甘く見てはいけない遭難の可能性があった鳳凰三山」

【登頂日】     2003年01月02日(木)

【天候】      1日目は晴れ、2日日目は晴れのち小雪

【コース及び時間】
        2日 8:08夜叉神荘P--9:05夜叉神峠--10:33杖立峠--12:16苺平--12:43南御室          小屋--14:12薬師小屋--14:38薬師岳(2780m)--15:11観音岳(2840m)- ??             -16:40地蔵岳(2750m)--17:25鳳凰小屋  (泊、2食付き7500円)

        3日 小屋発7:25--8:10地蔵岳--9:25観音岳--9:56薬師小屋--10:44南御室小屋          --11:26苺平--12:17杖立峠--13:11夜叉神峠--13:44夜叉神荘P
           (夜叉神荘から鳳凰小屋へ 行き7時間17分 帰り6時間19分 休息込み)

 *コースタイムは休憩や写真撮影などを含む実際にかかった時間です。
        その時の体調や天候によって大きく変わってきます。あくまでも参
        考タイムです。

【温泉】     みどりの郷「くつさわの湯」(南アルプス市)550円 

*ロングスノーハイク
 雪の状態で車がどこまで行けるかわからないが、行けるところまで行こうと出発した。一週間前までは夜叉神荘までは入れなかった。1時間ほど林道を余分に歩く必要があったが、運良く雪が解け、元旦の雪も10cmほどだったので、夜叉神荘駐車場まで車で入ることができた。(途中でラッセルしている車を追い抜いた)。
 鳳凰三山はかつて晩秋に、仙丈岳へのトレーニングのために歩いたことがある冬山の初心者コースだ。たいした計画や準備もしないで雪山ハイキング気分で出発。
1時間ほど登り夜叉神峠に出ると3000m級の南アルプスが雪煙をあげてそびえている風景が飛び込んでくる。(写真は夜叉神峠から南アルプス主峰の山々)
 四季を通して夜叉神峠からの展望は好きであるが、初夏の新緑やヤナギランの風景が好きである。

 天気もいいし、正月ということで入山者もあり、トレースもはっきりし、夏山のコースタイムで歩けた。南アルプス、富士山も見え展望を楽しみながらの快適なスノーハイキングであった。2時過ぎには薬師小屋に着いたので、もう少し頑張り鳳凰小屋まで行くことにした。(写真は薬師岳付近から富士山)。
*北斜面のルートはトレースが見えず!
 樹林帯の上は北西の風が強かった。そのため雪が吹き飛ばされていた。特に薬師岳から観音岳と。そして、観音岳過ぎから北斜面を降りる鳳凰小屋へのコースに入ったのであるが、トレースがないし、目印もない。腰までの雪で悪戦苦闘するがコースの確証をつかめなかった。しかたがなく、引き返すことにした。稜線に戻り、薬師小屋まで引き返すことも考えたが、鳳凰小屋に向かうことにした。稜線に戻ったら16:00。ここで初めてアイゼンを付ける。地蔵岳16:40、日没。
*ヘッドライトが・・・
 地蔵岳では空が真っ赤に燃えきれいではあったが、これからのことを考えると楽しんでいる余裕はなかった。地蔵岳からの下りも、強風でトレースが消え見えなかった。しかも、日没を迎えてしまった。雪明かりをたよりに10分くらい行くと標識があり「鳳凰小屋→」とある。コースが合っていたと、安心して歩く。見えなくなってきたので、ヘッドライトをつけようとしたが、寒さでバッテリーが低下し暗い(出発前に確認してこなかったミス)。ライトは最後の手段に、雪明かりだけで歩く。少し歩くと、崖であった。左にルートを変え、樹林帯に入る。ふと、ビバークのことも脳裏をよぎる。が、すぐにトレースを見つける。樹林帯の中はトレースが消えにくくて助かった。安心してペースを上げ、小屋に着く(本当に良かった)。小屋は1月2日といえ、宿泊者は私以外、4人の写真を撮るグループのみであった。寂しい正月2日。
(写真は雪に埋まる薬師小屋)
 4人のアマチュア写真家達は地蔵岳からのご来光写真を撮るために日の出前に出発した。私は朝食を取りゆっくり出発。
地蔵さんは今日も青空の中、私を見守ってくれていた。(写真)

*ピッケルが・・
 快調に歩き、10時前には薬師小屋に着く。そこからしばらく行くと樹林帯に出た。入り口がわからない。みんな迷うらしく、トレースはいくつもあった。わからないので右の方から順に試すことにした。3つ目のトレースが下まで続いていたのでそれを使う。3分ほどで本コースに出ることができた。油断したためか、腰まで潜り、前方へ転けてしまった。その時は気づかなかったのだが、南御室小屋近くで手が軽いのに気づいた。ピッケルを落としてきてしまったのだ。引き返すのも大変なので諦めて、下山。  十分雪山を楽しめた2日間でしたが、多くのハプニングがあった。(ピッケルは山のMLのY&Uさんが届けてくださり本当に助かった。感謝感激です)

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