03.11.03 MM第27号
*北岳の標高は’04年に国土地理院の再計測により 3192m から 3193mに変更になりました。(05.3.26変更)
【登頂日】 2003年 7月5日(土)
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皆さんは「キタダケソウ」を見たことがありますか?北岳にしかない固有種でキタダケを冠に持つ有名な花ですね。私は実物を見たことがなく、今回ようやく見に出かけました。 |
北岳には上のような2つの似た花が咲いていた。どっちがキタダケソウであるか、おわかりですか。そうです。右の花がキタダケソウです。左はハクサンイチゲです。左のハクサンイチゲは草すべりより上にたくさん咲いていました。右のキタダケソウは残念ながら北岳肩の小屋前に一輪見つけただけでした。大きな違いは左は花びらと葉がとがっているところです。 今年の夜叉神峠からの南アルプススーパー林道はずっと不通であった。奈良田からのコースが開通したのが7月1日。6月中旬が見頃というキタダケソウには少し遅かったが、7月最初の週末にキタダケソウに会いに出かけた。北岳肩の小屋に電話したら、「まだ残っているよ。」という事だったので、山頂からのご来光も見たくて宿泊予約をしておいた。 (写真は白根御池小屋上から北岳) |
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近くにいながら、今まで見に行かなかったのはキタダケソウが咲くのは梅雨時であり、他の花がまだあまり咲かないときであるからだ。「今年こそ!」と決めておいたのだが、林道不通で出鼻をくじかれてしまった。しかし、小屋のおやじの言葉に元気をもらい出発したのだった。 奈良田からは時間規制の交互通行だったので、広河原の駐車場にはたいして車はなかった。 大樺沢を登って八本歯のコル周辺でキタダケソウを探そうと思っていた。しかし、ぼーっとしていて、出発後すぐの、大樺沢への分岐を見落としてしまった。それで、予定を変更して草すべり経由で山頂へ向かうことにした。(帰路にわかったのは、道ははっきり二つに分かれていたが、標識が落ちて岩の上に置いてあった。) (小太郎山分岐下のシナノキンバイのお花畑) |
順調に歩き、11時前には北岳肩の小屋に着いた。 山小屋の親父にキタダケソウのことを聞くと、すぐ下の花壇に一輪あるという。実際に見ておけば、群生を探すのに便利だと思い花を撮しておいた。 北岳山頂には11時半過ぎに着いた。山頂では2人に会っただけだった。天気予報では夜から天気が崩れる、ということであった。キタダケソウを晴れの中で見たいと思った。それで迷った末、まだ時間もあったので八本歯のコルに行き、日帰りで下山する事にした。 キタダケソウは岩場に咲いている、とある本に出ていた。八本歯のコル付近にある、と書いてある本もあった。それで、辺りを探した。しかし、見つからなかった。代わりにベンケイソウ、クロユリ、ミヤマオダマキなどが見つかった。出会った人の中には「友人が6月初めに満開だった、と言っていた。」という人もいた。(写真は北岳肩の小屋と北岳) |
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時期が遅かったんだと納得し、家から近いし来年来ればいいと思い、下山することにした。 大樺沢の雪渓は思ったより雪があった。アイゼンなしでは滑りそうなので軽アイゼンを付けた。そのうちに、7人グループが登ってきた。彼らに迷いやすい雪渓の二股の通り方を教えた。 広河原には4時前に着いた。奈良田に通行できる時間は午後1時半から5時までと午後9時半から10時半までしかない。しかし、十分時間があった。 帰路、奈良田では「奈良田の里温泉」に寄って汗を流した。奈良田も山に囲まれた良いところだと思った。 1日余ったので、丸山林道を通り、翌日、櫛形山にアヤメを見に行った。満開でこちらもすばらしかった。 (大樺沢の雪渓を登る登山者達) |