03.10.20 MM第25号
【登頂日】 2003年 10月4日(土)
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山が一番鮮やかなとき、それは紅葉。新緑と共に私の大好きな時期である。今年度は南アルプス千枚岳・荒川三山・赤石岳に友人4人で挑戦した。 天気はまずまずであったので、期待に胸を膨らませて出発した。少し歩くと千枚小屋だった。 小屋付近では紅葉が始まっていた。透けるような鮮やかさはないが、赤や黄色に木の葉が染まっていた。 そして、小屋には千枚からの紅葉や富士山を見に来た登山者やアマチュアカメラマンがたくさんいた。小屋の横には大型カメラが数台据え付けてあった。きっと、ここでご来光を撮したのだろう。 景色を見ながら気持ちよく歩く。登山道の近くのダケカンバを見ると先端が少し枯れていた。 霜にあったのだ。 (写真は千枚小屋付近の紅葉) |
翌日、赤石小屋の人に聞くと、ここ何年か毎年、こんな感じで数回霜にあうという。残念だが、3000mの高山では仕方ないことか。 しばらく歩くと、森林限界を越え、二軒小屋からの登山道と合流し、尾根に出た。草や低木も紅葉していたがよく見ると先っぽが枯れているものが多かった。 千枚小屋から1時間くらいで千枚岳に着いた。千枚小屋から1時間と近く、富士山展望のメッカでもあるので中判・大判カメラを構えた人達が大勢いた。 ご来光は朝焼けの中、富士山も見えよかったそうだ。 千枚小屋に連泊し、大判カメラでご来光の富士山を狙うカメラマンは多い。私もここは3回目だが、気に入った写真がある。 (千枚岳から低木と草の紅葉) |
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晴れてはいるものの、雲が出てきた。 丸山を過ぎると青空はほとんどなくなってきた。そして、風も出てきた。 3000mを越えているので、日が陰ると休憩していると寒くなる。「丸山」は今まで、私にとってほとんど印象のないピークであったが、草のような低木が色づき気に入った。晴れていれば、もっと発色もよくきれいだったと思うが・・・。 展望も良くなくなってきたので、足下の草木に目をやる。 私は花は詳しくないのでよくわからないが、紅葉しているのは、「ツツジ科」のようだ。これはコメバツガザクラか?(下の写真) よく見ると、何度か霜にあったのか、枯れた葉や変色した葉、新しく出てきたらしい真っ赤に紅葉した葉が1つの幹に付いていた。 (丸山過ぎから「丸山」を) |
先日、図書館で偶然目にし読んだ『山の自然教室』(小泉武栄、岩波ジュニア新書、780円)には、高山では無雪期が短いので、草に見えるのも低木が多い、とあった。高さ数cmで矮性低木と言うそうだ。幹が細いので一見草に見えるが、細かい年輪があり、直径1、2mmの幹でも何十年も経っているそうである。 また、外国では、日本と同じくらいの緯度の4000m以上のところに森林があるところもあるそうである。日本では、ジェット気流の影響や岩塊のために森林限界が低く、世界に例を見ない高山植物群があるそうだ。 丸山からは、あっというまに荒川東岳(悪沢岳)に着いてしまった。 本日は、赤石岳に向かってまだまだ歩く。(次号へ続く) (丸山付近の紅葉したウラシマツツジ) |