2008.05.12 MM第215号

   私の出合った日本百名山 他の山々 by masarus
       
                         

バラ谷山(ばらたにやま 2010m) [南アルプス深南部]  [3-2]

その2 上西沢のヤブ登り〜バラ谷山

    
  この山の私の印象等は・・・                         

「 ヤブ登りの後は雪景色だった バラ谷山 」

 *下に感想等の文があります。                                         


【歩いた日】     2008年4月26日(土)

【天候】        霧時々小雨

【コース及び時間】


5:17山犬段発=(自転車・徒歩)=5:59千石沢取付−6:13自転車乗り捨て−9:29バラ谷の頭登山口−9:37崩落箇所通行不能で引き返す−


9:40バラ谷の頭登山口−(ヤブ登り)−11:01尾根道11:07−11:34[2000m地点]11:46−

11:49バラ谷山(バラ谷の頭)〈2010m〉11:51


−14:30鋸山〈1668m〉−14:41千石平14:49−14:59千石沢分岐−15:24千石沢取付15:28−15:34自転車の場所−15:46千石沢取付−16:11五樽沢のコル下−16:41山犬段

   
【 林道歩き  4時間23分  

【 登り(バラ谷の頭登山口からバラ谷山) 1時間51分 】

下り(バラ谷山から山犬段) 4時間38分   合計 10時間52分】

*コースタイムは休憩や写真撮影などを含む私が実際にかかった時間です。
 その時の体調や天候によって大きく変わってきます。あくまでも参考タイムにしてください。

  
ヤブの獣道を登っていく シカの糞がいっぱいころがり、角とぎの跡も
ガスがかかった尾根を進むと・・・・ 尾根道は雪に覆われていた
2000mとしてはもっとも南にあるという 2000m地点から3分でバラ谷山2010mだった

 【感想 等】

 (前号「メルマガ214号」から続く)

 GW、春を感じることができ、混まないところに行きたい、と探し出したのが南アルプス深南部の「黒法師岳(日本三百名山)」。
山犬段からは南赤石林道を歩いていって上西平沢から登るコースを選び、歩いていったが林道の落石・崩落に苦しみ「バラ谷の頭登山口」まで戻り、そこを登ることにした。

 この登山口には標識が立っていたのでわかったがなければ気づかないだろう。
2000年発行のアルペンガイドでは細い点線で「ヤブ」と書いてある。

通行不能箇所から戻ってきた私は、そこで休まずすぐに登り始めた。
すぐに背丈ほどの笹藪になった(写真)。
足下にはシカの糞がいっぱいだ。
しかもその道はいくつもの筋ができている。

 これらはシカの獣道だろう。
そこにはテープなどは付いていない(私の通った所が間違いでなければ・・・)。
下りと違ってどこでも上に登っていけば尾根道に出ることができる(多分)。

 背丈ほどの笹は先がこちらを向いているものもある。
それが、顔や体に刺さってくる。
顔は手で避けるが、急な坂なので体のものは十分除けきれない。
服の上から腕に刺さり擦り傷ができた。

 しかし、林道歩きに比べれば100倍も楽だ。
中腹まで登るとガスが出てきた。
シカがツノ研ぎをしたらしい木もあった。

 途中、2つだけ木に描いた消えかけた赤いペンキの丸印を見つけた。
登山道なのか否かはわからない。過去には通った人があり道であったことだけは確かだが。

 傾斜がなだらかになり、やがて尾根に出た。11時だった。
着くとは思ったが、無事着けてよかった。

 ただ、分岐点の表示がないのでもしかしたら獣道を直登したのかもしれない。

 尾根は膝ほどの熊笹が生え、木々が点在していた。
視界は30mから50mで近くしか見えない。
そして尾根の道も幾筋も黒法師岳に向かっていた。

 また、写真のように大量の雪が残っていてまるで冬まっただ中だ(写真)。
その雪が尾根を覆い、登山道を消していた。

 雪のないところで、休憩しながらこれからのことを考えた。
少しはよくなってきたが両膝裏の攣りが残り、体力はかなり消耗している。
黒法師岳はもうすぐだが・・・。

 とにかくもう少し行ってみることにした。

 雪のない尾根もあるが雪の中を歩かないと進めないところもある。
今回はスパッツは置いてきてしまった。
写真のように結構な雪の量なので踏み抜いてすっぽりはまってしまうと膝近くまで40cmくらいもぐってしまう。
そして軍手をはめた手は思った以上に冷えて冷たい。

 登山道は定かではなかった。
相変わらずガスが多く視界は30mくらいだ。
踏み跡をたどって行くと雪に隠されていつのまにか消えてしまう。
テープや布のマークはない。
ゆるやかな尾根を登っていけば間違いはない。

 30分ほど進むと『本邦最高2000mの地』という立派な標識が立っていた(写真)。
もう一枚の小さなプレートによると「日本最南標高2000m地点」だという。
2000mといえば、九州の最高峰である屋久島の『宮之浦岳1935m(日本百名山)』よりも高いのだ。
考えたことはなかったが、近畿、中国、四国、九州には2000mを超える山がないのだ。
それで南アルプス深南部にあるここが2000mの最南になるのだ。

 休憩しながら考えた。
11時半過ぎ、黒法師岳に登ってもなんとか日没までには着けそうな時間ではある。
しかし、今回はあきらめることにした。

 理由は・・・
・4時間半の林道歩きで足が攣り疲れがかなりたまっている。
・自転車は捨ててもいいが下山後押して帰るなら明るい内に林道に下り、体力を残しておく必要がある。
・道が幾重にも分かれていて、かつ、視界30mで十分位置が確認できない。また、黒法師岳からの展望もない。
・雪が多く、登山靴が時々雪の中にもぐり靴の中が少し湿ってきたし、軍手をはめていても手が冷たい。

 バラ谷山はすぐなのでそこまでは歩いてみることにした。
歩き始めて3分、早々「バラ谷山2010m」に着いた(写真)。

 ガスがかかっていて展望はないが、木々に囲まれガスがなくても展望はないようだ。
2000m地点からあまりの近さにびっくりしたが、休んだばかりなのですぐ帰路についた。

 静岡市や焼津市からも富士山のような三角のとんがり帽子が見える、黒法師岳。
近くだからまた登ることができる。
今回は残念だが、敗退だ!!

(次号に続く)
 

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