2009.10.27 MM第282号

   私の出合った日本百名山 他の山々 by masarus
       
                         

青薙山(あおなぎやま 2406m) 静岡市 静岡の百山



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この山の私の印象等は・・・                                 

「 緑深い山歩きと南アルプス南部の主峰の展望を楽しんだ 青薙山 」

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【歩いた日】     2009年9月21日(月)

【天候】        快晴

【コース及び時間】

畑薙湖ゲートP5:41発−(自転車)−6:08青薙山登山口6:10−7:43池ノ平−8:15赤崩の頭8:20−10:00

青薙山〈2406m〉10:14−11:19赤崩の頭−11:34池ノ平11:49−12:47青薙山登山口12:50−(自転車)−

13:13畑薙湖ゲートP


          【 登り 4時間4分  下り 2時間51分     合計 6時間55分  】


*コースタイムは休憩や写真撮影などを含む私が実際にかかった時間です。
 その時の体調や天候によって大きく変わってきます。あくまでも参考タイムにしてください。

【温泉】         南アルプス赤石温泉「白樺荘」 (500円)   静岡県静岡市

  
ゲートから30分弱走ると、青薙山登山口に着いた(写真1) 赤崩から大井川と真っ赤な畑薙大橋を(写真2)
赤崩の頭から対岸の南アルプス主峰達(写真3) トリカブトが至る所に咲いていた(写真4)
青薙山の山頂は展望は少しだけ(写真5) 赤崩から青薙山山頂方向を(写真6)

 【感想 等】

 
 9月の5連休シルバーウィークはETC利用はやめ、静岡市奥の南アルプス南部に行くことにした。
前日、日本二百名山の「大無間山」に登り、登山口の井川湖から畑薙湖に向かった。
畑薙第一ダムの手前にはサッカーグランドより広い、南アルプス登山者のための「臨時駐車場」があったのだが、なんと満車で100台以上が道路にあふれていた。
入口には6畳ほどの白いテントが張られ、関係者が登山届けを受け付けたり登山の相談に乗っている。

 天候も安定しているし5月のゴールデンウィークのように雪もまだない。しかも、ETCで高速1000円の5連休である。
前日、大無間山で全く人に会わなかったのでこれほど混んでいるとは思いもしなかった。
ちょうど、8月にアルペンガイド「南アルプス」が発売され、「月刊雑誌 山と渓谷」でも南アルプスの特集を組んでいた。
そんなことも登山者を増やしたのだろう。

 畑薙第1ダムのゲートに5時過ぎに着いた。
ゲート前の空き地は登山者の車でほとんど埋まり、ようやく私の車1台を置くスペースを見つけた。
車の近くでは、2人の年輩の男性が朝食を作っていた。
仲間を待って聖岳に行くという。
彼らと少し話し、5時半過ぎに自転車で出発した。

 ゲートからは一般車両進入禁止だが、ラッキーなことに、ここ「東俣林道」は自転車で走ることができる。
未舗装だが、たいしてアップダウンがないのでいつか走ろうと、通るたびに思っていた。
南アルプス北部の奈良田から広河原に向かう「県道南アルプス公園線」は自転車でも通行することができない。
道路によって違うのでよく確かめなければならない。

 10分で畑薙大吊橋に着いた。
かつて学生時代30kgの荷物を背負い、このゲートから北沢峠まで歩き南アルプス3000mの山を全山縦走した。
その時は布のテントや綿入りのシュラフを持ち、缶詰に米という装備であった。
トレーニングを積んで挑戦したのであるが、10分歩いては5分休むという茶臼岳への登りであった。
自転車で10分で走ってきたこの林道もコスタイム45分であるが、肩にリュックがくい込み、もっと時間がかかった。
そんなことを思い出しながら走った。

 私が登山に使えるのは本日1日のみ。
茶臼岳・上河内岳を日帰りすることも考えたが、次回に取っておいた。聖岳への縦走も視野に入れて・・・。

 ゲートから30分弱で、青薙山登山口に着いた(写真1)。
コンクリートに消えかけた標示があった。(土ぼこりをかぶっていたので少し払ってから写真は撮ってある。)

 6時過ぎ、登り始めて20分ほど歩くと年輩の男性に会った。
大無間山では誰も会わなかったのに、二百名山にもなっていないもっとマイナーなこの青薙山で人に会うとはうれしかった。
彼は静かなこの山が好きで、かつて登ったことがあり、前に比べ登山道のガレが進んでいる、と言っていた。

登りはなかなかの急な道であったが、アカマツや木々の緑が疲れを癒してくれる。
ガレて登りにくい所がいくつかあったが、7時半過ぎに「池ノ平」に着いた。
沢の流れが聞こえ、気持ちよかった。
山頂往復のコースタイム約10時間のこの青薙山に、1泊2日で登る場合はここ池ノ平に水場があるのでテント泊に都合がいい。
山頂と同じ規格の「池ノ平」という新しい標識が東海フォレストによって付けられている(写真5に山頂の標識あり)。

 朝、少し曇っていたが晴れてきた。
池ノ平から少し登ると赤崩というガレ場に着く。
周りにはトリカブトの紫の花がたくさん咲いている(ここから先には至る所にトリカブトが咲いていた)。
かなり大きな崩壊地で、名前の通り赤っぽい岩肌が露出している(写真6に帰路写した赤崩からの青薙山頂方向の写真がある)。

 赤崩の淵を登って行く。
少し登ると眼下に大井川と真っ赤な畑薙大橋が見えてきた(写真2)。
池ノ平から30分で「赤崩の頭」に着いた。
大井川を挟んだ対岸には南アルプスの主峰達がそびえている(写真3)。
稜線下には少し雲がかかっているが、左から上河内岳、聖岳、赤石岳、荒川三山だろう。
南アルプスを眺める最高の場所である。

 ここからは少し道がわかりにくかったが、草の茂るなだらかな道を行く。
所々に赤いテープがあり、道が合っているか確認できる。
この辺にはトリカブトの花が特に多い(写真4)。

 赤崩の頭から20分余登るとコメツガの林になり、やがて岩がごつごつしたところに生えるダケカンバになる。
いろいろな木々や草の植生が目を楽しませてくれる。

 赤崩の頭から1時間ほど歩くと、二重稜線の尾根道になる。
2100mのプレートがある、とアルペンガイドに出ていたが見つけることができなかった。
二重稜線の右側を通ったためかもしれないが。

 それほど急ではないので大して息も切れずに高度を稼いでいく。
伐採跡を過ぎて3分ほどで青薙山の山頂に着いた。
山頂は樹木に囲まれている(写真5)。
時刻はちょうど10時だ。

 北西側の木の上からは南アルプスの山々が顔を出しているが、せっかく登ってきたピークから展望が十分でないのは残念である。
かつてはうまく見えたであろうが、木々はどんどん成長する。

 リンドウの花等を見ながら、行動力を食べ休んでいると、北西方向への踏み跡を見つけた。
そちらへ行ってみると、木々で少しは遮られるものの、山頂よりも荒川三山などがよく見えた。
雲もすっかり取れ、きれいに見える。
ここ青薙山の山頂は私1人で静かな展望を楽しんでいるが、きっと赤石岳も悪沢岳も人がかなりいるだろう。
ここは、静かで自然がいっぱいあり、そんなところが好きな私にぴったりである。

 下山は同じコースであるが、二重稜線の右側を下った(こちらがメインコースだと思われる)。
登り始めに会った年輩の人にまた会ったら、この青薙山がかつてとはどんな風に変わったかを聞きたいと思い、探しながら。
また、登りで見つけることができなかった「2100mのプレート」を探しながら。

 25分ほど下ったところで、[FT2200M]のプレートを見つけた。
山頂から200m下ったことになる。
あと100m下れば「2100mのプレート」があるだろうと探しながら下りたのだが、40分下だっても、1時間下っても見つけることができなかった。
もしかすると、ガイドブックが間違えているか、それとも紛失したのか・・・。

 また、年輩の人にもすれ違わないのである。
まさか、遭難でもあるまいし・・・。
もしかすると途中で引き返したのかもしれない、とも考えたが・・・。
最終的な結論は、二重稜線で見えにくい所で行き違いになったのだろうということにした。
大したことではないが、気になるといろいろ考えてしまう。

 山頂から約1時間で赤崩の頭に着いた。
3時間ほど前、この近くで年輩の方と別れたのだった。
対岸の南アルプス主峰達は雲が取れはっきり見えているが、青薙山の山頂はガスが出始めていた(写真6)。

 そこから15分で池ノ平に下った。
11時半である。沢も流れている休憩にぴったりの場所なので、残りの昼食を取る。
なかなか落ち着く場所である。

 池ノ平からは急坂を1時間で青薙山登山口に着いた。
そして、自転車で20分余走り、ゲートに着いた。
3人ほど、単独者が茶臼岳方向から下りてきた。

 下山後は昨日に引き続き、畑薙ダム先にある「赤石温泉 白樺荘」で温泉に浸かりながら、今日1日を振り返った。
青薙山は変化に富んだ深い森林と、南アルプス南部の主峰を展望できるすばらしい山であることを改めて実感した。

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