2013.06.10 MM 第438号

   私の出合った日本百名山 他の山々 by masarus 


富士山[5月] (3776m 静岡・山梨県) 日本百名山

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この山の私の印象等は・・・                                     

「 アイゼンのビスを紛失し途方に暮れた 5月の富士山 」

  *下に私の感想等の文があります。                                                                         
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【歩いた日】     2013年5月25日(土)

【天候】        晴れ

【コース及び時間】

富士宮五合目P5:53発−6:09新六合目−6:53新七合目7:00−7:34元祖七合目7:42−8:14八合目8:23−

8:56九合目9:03−9:16ピッケル・スパッツ装着9:29−9:42九合五勺9:50−10:24浅間大社奥宮10:31−

10:48剣ヶ峰〈3776m〉11:02−11:14浅間大社奥宮11:20−12:08八合目12:15−12:38七合目12:43−

13:05六合目13:10−13:53富士宮五合目P



          【 登り(富士宮ルート) 3時間56分  下り(富士宮ルート) 2時間28分     合計 6時間24分  】




*コースタイムは道迷いや写真撮影などを含む私が実際にかかった時間です。
 その時の体調や天候によって大きく変わってきます。また、歩き方で全く変わりますので、あくまでも参考タイムにしてください。
 温泉等の料金もよく変わりますので、あくまでもその時の料金です。


  
登山口には頑丈な柵が・・・(写真1) 新六合目で休む人達(写真2)
例年より雪はかなり少ない元祖七合目(写真3) さあ、ここからは雪の中だ(写真4)
奥宮も雪が少ない(写真5) 剣ヶ峰山頂(写真6)
 
まだまだ登ってくる人達(写真7)  14時の駐車場上部は満車(写真8)

 【感想 等】

 今年はまだ雪に接していない。
そうだ、富士山に行こう!世界遺産にも登録されるし・・・。

かつて、6月の富士山(メルマガNo.310)はなかなかの雪だった。

5月の富士山は登ったことがなく、いつか登りたいと思っていた。
毎日、富士山を見るのを楽しみにしているが、春は霞んでなかなか見えない。
時々見えるが例年より雪が少ない。

富士山に近づくと、上部しか雪がないのがはっきりわかった。

朝6時前から多くの登山者が出発している。
登山道にトイレはないので済ましておこうと、駐車場のトイレに行くと、近くのコンクリートの上にうんちがしてある。
トイレがない所ならまだわかるが、10m行けばトイレがある。
1ヶ月後に世界遺産になる山の駐車場での出来事である。
ほんと、悲しくなってしまう。

次々に出発するので、私もせかされるように6時前に出発した。
登山口には「入山禁止」のゲートが頑丈に作られていた(写真1)。

前回の6月の登山の時とは全く違った感じである。
事故が多いのでこうなったのだろう。

しかし、それをまたいでみんなが通っていく。
私も罪悪感を感じながら通過する。

歩き始めて10数分で新六合目、雲海荘である。
そこにはもう多くの登山者が休んでいた(写真2)。
スキーやスノボーを持って登っている人が多い。

この先に宝永山への分岐がある。
山頂方向にはまた通行止めの標識が設置されている。

登るにつれ、愛鷹山が高さを競い合いたいかのように見えてくる。

出発からちょうど1時間、新七合目に着いた。
御来光荘の下の登山道には初めて雪がある。
暑くなってきたので上着を脱ぐ。
全く平地にいるときと同じ格好である。

数日前に軽い風邪を引き、体調は万全ではない。
登山はやめようか少し迷ったが、80歳の三浦雄一郎がエベレストに登頂したのだから
私が富士山に登るくらいなら大丈夫だ、と判断した。
が、体は少し重い。

7時半過ぎ、元祖七合目に着いた(写真3)。
ほんとに雪は少ない。
山頂方向を見ても7月くらいの感じである。
これなら、今年は7月1日の山開きで山頂まで行くことができそうである。

そこから30分、八合目に着いた。
ここからは奥宮境地内である。
この上には雪があり、アイゼンを付ける人もいる。

雪はかなり溶けていて、まだ付けなくても大丈夫でもある。
眼下には宝永山の赤茶けた火口が見える。
雪の中を慎重に登っていく(写真4)。

9時少し前、九合目に着いた。
あと一合である。
しかしここからが急坂である。

白木の鳥居をくぐり登っていく。
山頂までは真っ白な雪面が広がっている。
かなり急斜面になったので12本爪のアイゼンとピッケルを取り出す。
しかし、よく見るとアイゼンの大きさ調節用のビスが1本なくなっている。
針金があれば付けることができるが持っていない。
他のビスを取ってそこに付ける方法もあるが、ペンチ類がない。

雪はかなり溶けているので、スパッツだけ付け、ピッケルを滑ったときにすぐに使えるように構え登ることにした。
雪面を選び、慎重に一歩一歩登っていく。

かなり急斜面で苦労した所もあったが、10時過ぎ、滑らず浅間大社奥宮に着いた(写真5)。
そこには10人ほどが休んでいた。
かつて登った6月の写真と比べるとわかるが、ほんとに雪が少ない。
6月でも社の上まで雪があった。

10月(メルマガNo.151)に登ったときに鳥居など冷凍庫の中のように凍っていて、
11月(メルマガNo.239)は初秋のように暖かかったのを思いだした。
山は、その時で全く違った姿を見せる。

少し休んでから剣ヶ峰をめざす。
さすがここは真っ白である。
もっとも急なので慎重にステップを踏んでいく。
10時半過ぎ、剣ヶ峰山頂(3776m)に立つ(写真6)。

いつもより30分近く多くかかったが、全く気にはならない。
まだまだ時間はあるのであるから。

アイゼンが使えず、登れないときは引き返すつもりでいたが、運良く登ることができた。
雪が少なかったというのもラッキーであった。

富士山は毎年登っているが、何回登ってもいい。
違った発見がある。

普段は降りることのできないお釜に降りた足跡がある。
雪が積もっていれば、いつもは行けない所も行くことができたりする。
あの日本二百名山の笈ヶ岳(メルマガNo.355)もそうであった。

日本一の高さからの展望を楽しみ、下山を開始する。
下りの方が慎重にしなくてはならない。

奥宮までは労せず下ることができた。
途中にあるブルドーザー道を安全に下る方法もあるか、と覗くが歩いた跡がなくかえって雪が積もり歩きにくそうであった。

時刻は11時過ぎ、かなり気温も上がってきている。
急斜面もそれほど苦労せず降りることができる。

下からはまだまだ上がってくる人達がいる(写真7)。
彼らに道を避けながら下る。
と言っても、雪面ではどこでも歩くことができた。

私の横をプラスチックの板を尻にひき、シリセードで2人組が滑っていく。
これは楽そうだ。
私もやってみよう。
ザックからオーバーズボンを取り出し、滑る。
100mあっという間に滑ることができた。
もちろん、スピードが出すぎないようにピッケルでセーブしながらである。

横着をしてスパッツを付け直さなかったのでオーバーズボンの裾から雪が入ってきて太ももから尻の辺りが少し冷たくなってきた。
2回ほど滑り、あとは歩くことにした。

12時過ぎに八合目、12時半過ぎ七合目と下る。
雪解けの水が登山道を流れている。

眼下を見ると雲が湧きだしている。
この時間に登ってくる人もいる。
テントを持参していて山頂に泊まるのだろう。
国立公園内では自由にテント泊は可能だったか、・・・。
世界遺産になったらどうなのだろうか・・・。

そんなことを考えながら13時過ぎ、六合目に着いた。
そして14時前に駐車場に着いた(写真8)。
世界遺産に登録されるということで、写真のように満車状態である。
観光客がたくさん来ていた。

アイゼンのビスがなくて心配したが無事登頂できて良かった。
何回登っても違った富士山に出合うことができる。

次回はいつ、どこから登ろうか。

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